manvaのエンジニアリング魂

エンジニアリング・ものづくり・DIYをもっと身近にするためのブログ。インスピレーションを刺激します。

2020-01-01から1年間の記事一覧

マウス内蔵キーボードの作り方(ver.0.4) 数々の問題

マウス内蔵キーボードの製作について,前回更新からだいぶ時間が立ってしまった。時間がかかりすぎて自分自身が飽きてしまいそうなのでそろそろ仕上げたいとは思うのだが,数々の問題が発生している。試行錯誤の過程も,何か役に立つ情報が含まれているかも…

ZMPが支持多角形を出る話

梶田氏の著書「ヒューマノイドロボット」の第二版が出版された。ヒューマノイドロボット(改訂2版)作者:秀司, 梶田発売日: 2020/10/23メディア: 単行本名著である。 コンパクトで無駄がない説明。 運動学の計算はDenavit–Hartenbergよりわかりやすい方法を使…

擬似逆行列の話

ペンローズがノーベル賞を受賞したので、ロボットの制御にも使われる、ムーア•ペンローズの擬似逆行列の話を書いておく。用語はあまり統一されておらず、擬似逆行列(pseudo inverse)ではなく一般化逆行列(generalized inverse)と呼んだり,ムーア•ペンローズ…

マウス内蔵キーボードの作り方(ver.0.4) マウスホイールエンコーダ基板の作成

マウスホイールを基板の裏面に付けるため、基板から軸までの高さができるだけ低いエンコーダを探した。普通、小さくて5mmで、それより低いのはアルプスの4.5mmというのがあって、 EC05Eシリーズ|インクリメンタルエンコーダ|アルプスアルパイン それが限界…

最短でKiCadを使えるようになりたい

プリント基板を作るために,KiCadを使えるようになりたいが,結構ボリュームのあるソフトなので,どうやって習得するか。良さそうなチュートリアルを探したが,ソフトを起動して,メニューの「ヘルプ」「KiCadことはじめ」というのが元々入っているので,と…

Pro Microでマウスを自作する方法

Arduino Leonardoでマウスを自作してみたが, manva.hatenablog.com Arduino Leonardoはマウスに使うには基板が大きすぎるので,Pro Microでやってみる。 Pro Microは,「Arduino Leonardo互換」と言うが,どの程度互換なのか。少なくとも,ピンの数が少ない…

Arduino Leonardoでマウスを自作する方法

Arduino Leonardoを使って,マウスを自作してみることにした。自作キーボードは流行っていて,作っている人が多いが、マウスを自作している人はあまり多くなさそうなので,やり方を書いておこう。 私は最近,マウス内蔵キーボードというのを開発中なのだが,…

3Dプリンタでマウスホイールは作れるのか?

マウス内蔵キーボード(キーボウス)では、キースイッチとの干渉を避けるために、マウスホイールの直径を大きく(40mm程度)する必要がある。そもそもマウスホイールを部品として売っている物も少なく、そんな特殊な寸法の物は自作するしかない。 マウスホイール…

マウス内蔵キーボードの作り方(ver.0.4) 筐体ver0.4.3の作成

筐体をプリントアウトした。 今回は、もうこれで製作を進めるつもりなので、底面を固定する部分や、TRSケーブルを挿す穴などもつけた完成版。 配線のことも考えてボディを分割している。分割したCADモデルの作り方は別記事に書いておいた。 蓋は、片側ツメを…

Fusion360 ボディを複雑な曲面で分割したい

画像のように分割するのにちょっと苦労したので、どうやったか書いておく。 分割するには、「ボディの分割」を使えば良い。平面などで分割するのは簡単だが、複雑な曲面での分割になると案外大変だった。 まず思いつく方法としては、「サーフェス」を使って…

3Dプリントした部品にネジ止めするには

方法はいくつかあるだろう。 タップを3Dプリント 太いボルトのような物ならできるが、小さいネジは3Dプリンタの精度では無理。 タッピングビス 小さめの穴を開けておき、ビスをねじ込むことでタップを作る。楽だが、何度かネジを付けたり外したりするとボロ…

3Dプリンタでテーブルにくっつかない時の対処

3Dプリンタで、フィラメントが少なくなったので、今まで使っていたのと違うものを買ったら、テーブルにくっつかなかった。 今まで使っていたもの(プリンタに付いていたものや前回買ったもの↓)はこんなことにはならなかった。 【Creality 3D 】3Dプリンター用…

マウス内蔵キーボードの作り方(Ver.0.4) 筐体形状微調整の沼

あまり進んでいないが,2ヶ月更新していなかったので,この辺でいったん記事にしておこう。 前回書いたように,小指のキーを17mmピッチで作ってみた。スイッチも小指の分はRed proに変えた。親指のキーも,円弧状に配置しているので台形にしてピッチを詰め…

マウス内蔵キーボードの作り方(Ver.0.4) 3Dプリンタでキーキャップは作れるのか?

Kailhロープロファイルスイッチ用のキーキャップを3Dプリンタで作ってみた。頑張って一般的な台形で窪みのあるやつを作ってもよいが,機能的にもデザイン的にもフラットで良くない?とすれば簡単にできる。 Kailhロープロファイルスイッチは、1.2 x 3.0mmの…

マウス内蔵キーボードの作り方(Ver.0.4) Fusion360で筐体作成

現在開発中のマウス内蔵キーボードの筐体部分をどのように作ったかという話。 今回の開発のために、最適化されたクレイモデル上のキーの位置を正確に計測する手法を新たに開発した。その手法,バンブースキュアリング(bamboo skewering)により,ミリ単位での…

Fusion360でシェルがエラーとなるときの対処

スカルプトモデリングで作成したボディを「シェル」コマンドでくり抜こうとしたら失敗した↓。 「シェル」コマンドの場合,エラーの箇所を示す赤色の範囲が広く,どこに問題があるのか特定しにくい。 スカルプトモデリングでボディを作成した場合,全く同じも…

マウス内蔵キーボード自作Ver.0.4始動

マウス内蔵キーボードにもう一度チャレンジ。前作↓manva.hatenablog.com (Keybouse Ver.0.3.1とする)がなぜ打ちにくいのか,問題点をもう少し詳しく分析してみた。 キーボード打つときって,ほぼ指だけで打っているイメージがあるが,実際は手先全体の位置も…

マウス内蔵キーボードの使い心地を知っている者は私だけではなかった

マウス内蔵キーボードを思いついたのが私だけではないだろうとは予想していたが,調べてみると,クラウドファンディングで成功し,すでに製品になっているものもあったので紹介しておく。 私はこれらを「真似した」のではない。「かぶった」のだ。車輪の再発…

マウス内蔵キーボードの作り方7(キーボードとマウスの融合Keybouse)

ついに完成・・ 極秘裏に開発してきたため,誰にも気づかれなかったと思うが,今までの記事に登場した「アレ」とは「マウス」のことだ。右手用デバイス内にマウスを内蔵しており、「マウスシフトキー」を押しながら操作すればマウスとして機能する。 キーボ…

マウス内蔵キーボードの作り方6(配線とQMK firmware)

電気まわりとソフトまわりの話。 まずは必須とも言われるもげ対策。エポキシの接着剤が良いとのこと。ダイソーで買える。 5x5の「無限の可能性」を⬇︎のように分割。ダイオードを取り付ける。LEDは大変そうなので今回はパス。 基板を筐体に取り付ける。3行8列…

マウス内蔵キーボードの作り方5(上質の黒)

自作キーボード用の基板「無限の可能性」を使う場合、筐体をキースイッチと基板で挟んではんだ付けするので、一度配線してしまうと後戻りできなくなる。そのため、筐体をもう少し仕上げておくことにした。 前の記事で、塗装とか書いたが、黒のフィラメントを…

マウス内蔵キーボードのためのQMK firmwareの書き方

QMK firmwareの書き方はネット上にいろいろ情報が出ているが、 オリジナルのキーボード 左右分割キーボード マウスとして操作できるキーボード の場合にどうすればいいか、となると、あちこち調べなければならなかったので、ここにまとめておく。 (記事執筆…

マウス内蔵キーボードの作り方4(Pro Microその他必要なもの)

自作キーボードを作っている人の多くは、Pro Microを使っている。Pro Microとは、sparkfun社のArduino Leonardo互換の小型マイコンボードである。 www.sparkfun.com その中国製クローンも販売されていて、堂々とProMicroを名乗っている。青い基板のものと黒…

マウス内蔵キーボードの作り方3(筐体Ver.3)

修正した筐体Ver.3が完成。 ファブラボ太宰府のAFINIA H800と 購入したQIDI X-Makerの2機種の3Dプリンタで似たようなものを作ったので比較できる。 上がAFINIA,下がX-Makerの出力結果。 X-Makerは 丸い穴 浮いている部分の下面 が苦手らしい。 AFINIAでは…

マウス内蔵キーボードの作り方2(3Dプリンタ購入)

何度も試作するために毎回ファブラボ太宰府まで行くのは大変なので、別の方法を検討。 北九州イノベーションギャラリー↓の機材講習を受けてみた。 www.kigs.jp が、3Dプリンタは3時間までしか使えず、その時間内に終了して電源を切って帰らなければいけない…

マウス内蔵キーボードの作り方1(筐体の3Dプリント)

まずは紙粘土で打ちやすいキー配置を検討。普通のキーボードって、小指の負担多すぎ、親指サボりすぎ。人差し指と小指は6キーずつ、中指と薬指は3キーずつ。親指はもっと頑張れるはず、ということで6キー割り当てることにした。親指6キーのうち2つは普通のキ…

なぜキーボードを自作するべきなのか

パソコンのキーボードがずっと昔から気に入らない。まずパソコンを使い始めたときには,QWERTY配列っていうのが,何でこんな意味不明な配列になっているんだというのが,たぶんみんな最初に感じるところだろうが,これはまあ慣れたら気にならなくなる。が,…