マウス内蔵キーボードの製作について,前回更新からだいぶ時間が立ってしまった。時間がかかりすぎて自分自身が飽きてしまいそうなのでそろそろ仕上げたいとは思うのだが,数々の問題が発生している。試行錯誤の過程も,何か役に立つ情報が含まれているかもしれないので書いておく。
問題1 基板が来ない
前の記事↓に書いたように、
マウス内蔵キーボードの作り方(ver.0.4) マウスホイールエンコーダ基板の作成 - manvaのエンジニアリング魂
Elecrowに基板を発注したのだが、まだ来ない。
発注したのは10/5。基板の製作は順調に進み、9日後の10/14に発送したとの連絡があった。7-25日で届くとのこと。25日は遅いな、結構バラつきがあるんだな、まあそれは最悪の場合で、普通は10日くらいで来るだろう、と思っていたが、25日経っても来ない。
番号で荷物の追跡ができるので、見てみたら↓こんな感じ。
どんだけ彷徨ってんのw。
セキュリティチェックに引っかかって何度も送り返されている様子。部品も載ってない,たった5枚のごく小さい基板が,大国中国を脅かすとはな。
一番安い送り方選んだのが悪かったか。何度か問合せたが、2ヵ月半経った12/19現在でもまだ来ない。もうなくなったものと考えたほうが良さそう。
なぜ来ない。バイバイありがとうさようなら,と言いたいところだが,もう一度発注しよう。
問題2 サポートが剥がれない
私と同じQIDI社のX-Makerという3Dプリンタを使っている人の記事を見つけた↓。
nomolk.hatenablog.com
タイトルの通り,サポートの上の層が荒れてしまうときはサポートインターフェースを使うとよいとのこと。私は前の記事で,Fablab太宰府で使わせてもらったAFINIA H800と比較して,X-Makerは空中に浮いている裏面が苦手らしい,というようなことを書いてしまった( マウス内蔵キーボードの作り方3(筐体Ver.3) - manvaのエンジニアリング魂 や マウス内蔵キーボードの作り方5(上質の黒) - manvaのエンジニアリング魂 )のだが,それは私がほぼデフォルト設定のまま使っていたせいで,AFINIAで作ったときはFablab太宰府の担当の方がサポートインターフェースの設定をしてくれていたかもしれない。
サポートインターフェースをつける設定でプリントした結果が↓。(サポートはだいたい剥がしたが、サポートインターフェースはだいたい残っている状態。)
高品質の設定にしているので,60時間かかった。
いつも比較している穴部分は↓
確かにきれいにできているが,サポートインターフェースの部分が想像以上に固くてなかなか剥がれない。あらためて読んでみると上記サイトにも、「手ではがすのはちょっと困難」「簡単に手では剥がれない」「凹凸があるような面には使えないかも」「奥まっていて工具が届かないところも難しいかも」と繰り返し警告されていた。とはいえ何とかなるだろう,とやってみたが,何ともならないレベルの固さだった。インターフェースの隙間の距離などを設定で変えられるので、ちょうど良い設定を見つけてしまえば良い具合になるかも知れないが,とりあえずこの設定は使わないことにしよう。デフォルトでオフになってるのはそのせいか。
問題3 設計ミス
筐体の裏面に,↓のように円柱を2本立てて,
↓のように、マウスホイールの軸を支える部品を取り付けることにした。
前に記事↓
3Dプリントした部品にネジ止めするには - manvaのエンジニアリング魂
に書いたように、ナットホルダで固定しようと考えた。柱に穴を開けてあるが、これが正六角形の4辺だけを残した形のナットホルダになっていて、ここにナットを埋め込むつもりだった。
CADの図で見てたらできそうな気がするが、実際にプリントしてみると、↓のように穴にサポート材が埋まるので、ほじくり出さなければならない。
このサポート材が、上記問題2のせいもあり、全然取れなさそう。ほじくり出しやすいように形状を変えれば、少しは改善できるだろうが、工具が入りにくい場所なので、大変そう。やはりインサートナットにしよう。
問題4 設計ミス2
マウスホイールの軸を支える部品を取り付けると、
狭すぎて奥のスイッチにアクセスできなくなり、はんだ付けできないことに気づいた。これはきつい。かなり大きな設計変更が必要だな。分割の仕方も変えるか。組み立て方法をあまり考えずに作り始めてしまったツケがまわってきてる。そういうの考えるのが楽しい部分でもあるけどね。