右手デバイスができたので,左手デバイスを作っているが,ここに来て3Dプリンタが不調。
最初は変にザラザラになったな、くらいの感じ↓だったが、
不調のまましばらく使っていたら,次第に悪化して,フィラメントの出が悪くなって,かすれたようになり,エクストルーダから変なノック音がし始めた。たぶんフィラメントを押し出そうとしても硬くて進まないので滑っているような感じ。
色々原因を予想しながら試してみた。
仮説1:冬だからノズルの温度が低くなり,フィラメントが溶けていない
ノズルの温度を上げてみたけどダメなので違う。
仮説2:フィラメントが太すぎ
使っているフィラメントのAmazonのレビューを見ていたら、最初は良かったけどしばらく使っていたら詰まるようになった、というようなことを書いている人がいた。その人は、部分的に仕様の1.75mmより太くなっている説。0.01mmの単位まで表示されるデジタルノギスで測ってみたが、少なくとも私の場合は寸法精度は問題無さそう。(ノギスの計測精度も十分ではないので確信はないが。)
仮説3:ノズル詰まり
3Dプリンタのノズル詰まりは普通によくあることらしく,結局,これが原因だった。プリンタに付いてきた予備のノズルに交換したら治った。
↓ノズルを引っこ抜く。
交換用の工具も付属しており、交換方法の動画もあったので、メンテナンスはスムーズにできた。フィラメントは温度を上げたら溶けるはずなのになんで詰まるんだろうと思ったが,↓焦げつくからか。なるほど。
治ったのでプリント再開。
使っている3DプリンタX-Makerに付属のスライサソフトQIDI Printは、プリンタ購入時についてきたのはバージョン5.3.0だったが,メーカのサイト↓でバージョン5.5.2がダウンロードできたので一応アップデートしておいた。
バージョンを上げたら,パソコンが古いせいか,処理が結構重くなった。特に,スライスの計算後に自動的にレイヤ表示に切り替わるようになって,このモードが重い。機能は増えたが,前のバージョンに戻すか微妙なレベル。
ついでに、プリンタの設定をいじっていて、サポートの設定を「Tree」(ツリーサポート)にすると、プリントの時間をかなり短縮できそうだったので試してみた。QIDI Printは,CURAがベースらしいのでCURAのツリーサポートも同じようなものと思われる。
左手用デバイスのメイン筐体部分で比較すると,以下のような感じ。
Nomalの場合 プリント時間:1日21時間37分(ソフトによる予測値。実際はプラス5時間くらいかかった),材料の使用量:173g,スライスの計算時間:1分程度
Treeの場合 プリント時間:1日8時間53分(実際はプラス3時間くらい),材料の使用量:112g,スライスの計算時間:3分程度
スライスの計算時間は長くなるが,プリント時間が半日くらい短縮できるのは嬉しい。プリントした結果は↓
名前はTreeだが、どちらかと言えばエリンギのような形だ。下の方が細く,上に行くと広がるようなサポートを生成してくれる。Nomalのサポートは数ミリ間隔でみっちり詰まっている感じだったが,Treeだとサポートは筒状で中はほぼ空洞になっているのでサポートのボリュームがかなり少なくなっている。筒状なので剥がすときもごっそり固まって取れて楽↓。
サポートを剥がした跡の比較↓。左がTree、右がNomalでプリントしたもの。Treeだと剥がした跡も残らず、きれい。Nomalだとサポートがついていたところがきれいには取れず、シマシマの凸凹ができる。
ただ残念なことに,Treeでは,ところどころ問題が発生している。
下面や穴の横が汚くなっている↓(これはサポートのせいじゃないかもしれないが)
小指スイッチの枠部分が、プリントの途中でくっつかなくて落下したような感じでずれている↓。これではスイッチが入らないので使えない。
ツリーサポートは,細かい設定を変えたりして問題が解決できるなら,すごく良いかもしれない。だが,1個作るのに1日半くらいかかるので,いろいろ試すには時間がかかりすぎる。良いところが多かっただけに残念だが、Nomal設定に戻して作り直そう。