manvaのエンジニアリング魂

エンジニアリング・ものづくり・DIYをもっと身近にするためのブログ。インスピレーションを刺激します。

不要な条件なのに「必要条件」という違和感

A\Rightarrow B(AならばB)が成り立つとき、BはAの必要条件であるという。AであるためにはBである「必要」があるから必要条件。うん、BじゃなかったらAじゃないからBである必要があるよな。わかる。
しかし、高校で習ったときからずっと自分の中で何か違う気がしていた。最近ようやくこの違和感の正体がわかった。以下の例を見ればスッキリ理解できる。

\displaystyle{\begin{eqnarray}
A:\;x=1
\quad\iff\quad B:\;\left\{\begin{array}{l}
x+1=2 \\ x>0
\end{array}\right.
\end{eqnarray}}
「AならばB」が明らかに成り立っているので,BはAの必要条件である。(ついでに「BならばA」も成り立っているので互いに必要十分条件。)しかし,お気づきだろうが,x>0という条件はなくても A\Rightarrow BB\Rightarrow A も成立するので,x>0は「不要」な条件である。不要な条件があるのに「必要条件」と呼ばれることに違和感を感じるのである。
「必要」というのは,AであるためにBが「成り立っていること」が必要なのであり,Bが複数の条件からなる場合,一つ一つの条件自体が必要という意味ではない,ということである。特に「必要十分条件」と言ったときは,言葉尻から,条件自体が過不足ないという意味のような気がしてしまうので違和感を感じたのだろう。
もしも受験生がこの文を読んだなら,数学の試験には一切役に立たないどころか余計混乱するかも知れないので,受験が終わるまでは忘れておくことをお勧めする。